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【開催報告+】栗本啓司先生と「愉しいおやこ遊び」

8月2日に行ったマナビダネ初めてのイベントは、25名の大人と子どもで、愉しい時間を共有することができました。

ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。


どんな感じの遊びの時間だったのか…を、少しだけ発達の話を混ぜてレポートいたします。



講座の概要はこちらを。 https://20220802manabidane.peatix.com/




「集団は苦手だけど、集団で遊ぶことが嫌いではないのか!」と、栗本啓司先生を中心にして、集団の中で愉しく遊び子ども達をみていて思いました。


この子たち、この日の朝集まったときは、「なんだかよくわからんけど、お父さんお母さんが来いっていうかた来たよ」という感じのでしたが(大人もかもしれません)、栗本先生のご指導が始まると、動きの楽しさにどんどん引き込まれていくことが、傍からみていると、とてもよくわかりました。


そして、親子遊びの後半は、子ども11名、大人14名の25名で輪になって、「集団で遊ぶ」をしました。

これが、「ちょー楽しい!」時間だったのです。


・集団に入れない

・みんなと一緒にできない


普段、そう言われている子どもたちには、全然見えませんでした。

「もう終わり?」といいたくなるくらいに、あっという間で、楽しかったのです。

あんなに暑い道場だったのに! です。


「輪っかで遊べるってすごいんだよ」と栗本先生にいわれて、子どもも大人もとてもうれしそうでした。


続けて、「これができるんだから、みんなは将来、いろんな仕事ができるよ!」といった内容のことをいってもらい、子どもも大人も喜んでいたことが、場の空気がさらによくなったことでわかりました。栗本先生のコメント、私は聴覚記憶が悪いので正しいは覚えてないので、ニュアンスが違うかも、ですが(-_-;)


いつもは難しいと感じていた集団遊びが楽しかったおかげで、その後の「保護者のふりかえり」を待つ間の「子どもの自由遊び」の時間は、部屋の隅っこに小さい小集団がまるっと集まった塊の中で、「小集団の並行遊び」が心地よく進行していました。





【集団が苦手…といわれる子ども達】


この日、集まってくれたのは、いわゆる「集団が苦手」だったり、自分の感情と付き合うことが苦手だとされる、いわゆる、発達に凸凹がある子たち、発達障害の特性をもつ子たちです。


「学校にいけない」「友達とうまく遊べない」「授業や行事に参加しない」「順番が待てない」などがあると、集団行動が苦手なのだろうと、大人は判断していきます。


また、本人も、小学校中学年くらいになると「自分は集団の中で楽しく遊べない」という経験を繰り返しているせいか、集団への苦手意識を持つようです。これは、私もかかわっている子どもたちの様子からも感じます。


【集団行動に向けた発達過程は遅れているけれど…】


一般的に「みんなと一緒に活動する」というのは3歳児の年少といわれるころから始まり、並行遊びで一緒にいる空間を愉しんだあとに、ごっこ遊びの役割分担などを通じて、自分の欲求よりも友達の協調行動を優先することで、摩擦の少ない集団行動ができりようになります。

こうした発達段階には、一般的に就学前年6歳、7歳ころまでには、足並みがそろうと考えらえているようです。

しかし、発達特性のある子どもたちは、これが難しいのです。


発達障害の特性のある子どもは、実年齢の7割から8割の発達年齢だと考えると合点がいくことが多いですが、そう考えると、小学校2年生のときの実年齢は8歳だけど発達年齢は6歳ということになります。2年生の中に、幼稚園児が入っていたら、一斉指示は理解できないし、同じ行動がとれなくて当然だと思いませんか?

ちなみに、4年生は、10歳だけど7.5歳、小6は12歳だけど発達年齢は9歳という計算になり、学年が上がるほどに、まわりとの差がでてきてしまうのです。


【一人遊びが好きな子どもは、集団が嫌いなのか…という疑問】


・新しい環境に馴染みにくい

・一人遊びが好き

・見通しのつかない状況を嫌う

・場面理解が難しい

・順番が待てない

・勝つことにこだわる などの発達特性が集団行動を難しくしていると考えられます。


また、こうした特性があることで、小学校に上がることにはすでに「お友達とうまく遊べない」や「集団で何かするのはつまらない」「怒られてばっかりだから集団は嫌だ!」という二次的な気持ちを持ち始めるため、集団行動に対する不安や苦手意識が強化されていきます。


しかし、です。

いろいろダネの活動をしていて思うのは、

大人が混じっている小さい集団で「人と遊ぶのは楽しい」という経験をした子どもたちは、

「外の人とつながりたいと願う」

「誰かと遊びたい」

「学校に戻りたくなる」

「同年齢の子どもたちの交流を求める」という気持ちを、どの子ももっていくように感じます。


また、どの子からも「人が好き」を感じます

上手く遊べないけど「人が好き」

一人遊びが好きだけど「人が好き」

友達はこわいけど「一緒に楽しくなりたい」」

子どもは他者に、とくに同世代の子どもに、興味関心があって、一緒に遊びたいと願うのだ…

と、昨日も感じました。


【みんなと同じ、「普通」を目指さない集団参加を】 


とはいえ、昨日行っていた遊びの中でも、

自分のできないことはやらない、やりたがらない姿が散見されました。


そんな時は、

「できない」という子は少なくて、

不機嫌になったり、

興味ないふりをする、

これ嫌い、といってみるなど、その子によって、その行動を避ける様はことなりますが、「できる見通しの立たないことは避ける」ことで、自分の心を護っているのだなと感じました。


昨日は、優秀な支援者が多数いたため、各所で子どもの気持ちを優先した適切な関わりをしていただけたので、すんなりと場に戻れる子、それでも難しい子などいました。

そのあと、大人と子ども空間が分かれた後は、ぐちゃっとした小さい空間で、「小さい手段の並行遊び&ときどき交流」が生まれていました。


子どもたちと遊んでいたボランティアさんたちと、安心して身をゆだねている子どもたちをみていて、とても幸せな気持ちになりました。


【社会にでていくためには、集団経験は必要】


不登校をしているお子さんや、発達凸凹のある子ども達、どちらにも共通してるのですが、幸せな大人としていきていくためには、その人なりの社会参加ができればいいと思うのです。

ですが、人がこの社会の中で生きていくためには、最低限の社会参加が必要であり、「最低限の社会適応能力」が求められます。


だからこそ、親をはじめとした周りの大人は、その子が生きていくめに必要なこと、教育や社会資源につなげるといったことをしていくわけですが、その必須事項の中に、「集団遊びの成功体験」を入れてほしい!と、昨日の子ども達の様子をみていて心から願いました。


ASDをもつお子さんは、とくに集団行動は苦手で、本人もやりたがらなくなっているもわかります。

でも、です。

環境を整えれば、不可能じゃないんです。


昨日は、凸凹のある子 < 特性理解のある大人 という人の割合の中で、かつ、栗本先生の指導で作られた安全な環境という場だったからこそのミラクル!でしたが、できる条件を見つける、できる環境調整をすることで、集団遊びは可能になるのですから…。





「いろいろダネ」の活動の中でも、小さい集団遊びが子どもたちの自信につながっています。

こちらの活動内容は、改善の余地ありまくりですが、今後は、個の活動も行いつつ、小さい集団の規模を大きくしてみたいなぁと思います。


そして、そのためにも、子どもたちが伸びたいように芽吹ける場を作れる大人になろうと思いましたし、同じ志をもってくれている仲間たちとともに、大人がまず自分を育むことをしたいとも思いました。


最後になりますが、

遠方からお越しいただいた栗本先生、ありがとうございました。

また、いつも完全無償でお力を貸してくださっている支援者のみなさまに心より感謝申し上げます。


そして、一緒に愉しい時間をすごしてくれた子どもたちと、その保護者の方々にもお礼申し上げます。


また、一緒に遊びましょう!

代表:どばし

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